【インタビュー】グランアーキ展開により上場へ・・・ - 戸建分譲総研

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【インタビュー】グランアーキ展開により上場へ・・・

当初の課題

 

弊社は、静岡県を中心に年間400棟の分譲住宅を販売するビルダーです。地域に根ざしたビルダーとして32年、仕入れから販売までを一貫して行い、静岡では販売棟数No.1となるまでに成⻑してきました。しかし近年では、全国展開されている大手ビルダーとの価格競争による値下げの常態化が、大きな経営課題となっていました。

 

ホームポジション㈱」の新築建売はどうなのかをアドバイス

 

効率的な商品開発に、部材調達のスケールメリット、ネームバリューもある大手ビルダーと価格で戦うことは容易なことではありません。かといって部材や設備品質で差別化を狙っても、価格に見合う価値をお客様にはなかなか理解していただけません。そうすると残すは、意匠、デザインによって付加価値をつける、ということになるわけですが、これがなかなか難しいんです。

 

 

すでに体系化され日々業務を行っている設計・施工チームのデザインコードを変更するのは容易ではありません。また、注文住宅慣れしている外部の設計会社にデザイン委託をしても、分譲建売のような限られた施工コストには慣れておらず、魅力的な家はできないか、できたとしても施工コストが跳ね上がり、本末転倒ですね(笑)。

 

 

過去に何度か試みましたが、うまくいかず半ば諦めかけていました。そんな中、クラフトアールさんの分譲住宅に特化したデザイン支援「GRANDARCHI(グランアーキ)」を知り、本当に施工コストを上げずにできるのか?と半信半疑ながら、話を聞いてみることに。

 

 

 

取り組みの内容

 

グランアーキのデザイナー建築家宮窪氏が、これまで手掛けてきた様々な事例と共に、どのように価値を高める空間デザインを創っていくのか、その場でデザイニングを実演してもらいながら説明を受けましたが、見事に理論立てられたデザイン手法に思わず感嘆しました。

 

 

これなら、施工コストを十分に抑えながら他社と一線を画すデザインができると確信、すぐに本社設計メンバー全員を招集し同席させました。当社がそうであったように、過去に一級建築士事務所に依頼しうまくいかなかった会社が多いと思いますが、グランアーキではその心配が全くありません。

 

 

グランアーキ

 

 

⻑年設計に携わる熟練スタッフでも目からウロコの話が聞けたのは、グランアーキのプロデューサー奥村氏が分譲業界に精通し、戶建分譲会社が現実的に施工できる意匠デザインに監修しているところが大きいようです。静岡エリアは、契約を独占させて欲しいと本気でお願いしたほどです。

 

そして早速、新たな分譲地からクラフトアールさんにデザインをお願いすることにしました。外部にデザインを依頼するにあたって、社内側の指示整理や窓口業務に手間がかかるか心配でしたが、とても慣れていてスムーズな進行管理ができました。現在では常時100棟以上の物件を委託できています。

 

 

また、デザインを委託するだけではなく、委託した依頼案件のデザイニングを具体的な手法を交えてアカデミックに説明していただく定期勉強会のおかげで、社内設計メンバーのスキル底上げにもなっています。これによって実際に、委託外の住宅デザインのレベルも上がってきていると実感しています。

 

 

売上換算6億円の貢献インパクト

 

デザインが良くなるだけではなく、社内レベルの向上、社内設計リソースの負荷軽減、社員のモチベーションアップなど、あらゆるところに効果が波及していて、数字では見えない利益にも繋がっていると感じます。売上換算すると6億円170棟分の貢献インパクト。

 

 

このプロジェクトを開始してから半年、いよいよ販売開始となり、クラフトアールさんと取り組んできたプロジェクトへの自信が確信に変わりました。ご来場されるお客様の反応が「〇〇会社と比較して…」ではなく「この家が欲しい」に変わったのです!

 

 

値下げが検討される前にご契約が決まることが多くなりましたし、完成前にご契約いただくことも珍しくなくなり、当初
の販売価格のまま、値下げをせずに売れるようになったと本当に実感しています。弊社の場合、デザインを良くすることで施工金額が1棟あたり約30万円程度上がっていますが、販売価格を100万円上げ、値下げをせずに販売できていることで1棟あたり約70万円程度利益が増えた計算になります。

 

 

駿河区中島[東道路]|静岡の建売住宅・新築住宅ならホームポジション

 

 

加えて、以前は値下げが常態化していたので、これを加味すると1棟あたり150万円以上の営業利益アップにつながっています。この利益を得るために必要な売上を経済計算すると、驚愕です。年間100棟なら1.5億円(営業利益率10%と仮定)の換算に、弊社は年間400棟着工しておりますので、もし全棟においてこれが実現できれば6億円、170棟分の売上創出ということになります。

 

 

「失っていた利益が創出される」まさに、“グランアーキマジック”です。この分をお客様や社員へ還元したり、さらなる事業拡大へ有効活用していきたいですね。今では、グランアーキを戦略手段の一つてして位置づけることで、ウッドショックもさほど怖くなくなり、未来が明るくなりました。

 

 

グランアーキは本当は他社に知られたくないサービスでしたが、本丸の静岡を避けることを条件に、成果事例をお伝えさせて頂きました。かなりの恩がありますしね(笑)。自信を持って推薦させて頂きます。

 

 

グランアーキが上場への架け橋

 

この取り組みには後日談がありまして、グランアーキを展開する中でデザイン性の重要性を感じた弊社では「戦略デザイン室」を設置いたしました。この戦略デザイン室設置による市場からの価値が一気に高まり、お陰様で上場することとなりました。今後、弊社ではグランアーキから得たデザインの知見を最大限活用しながら企業価値を高めていきたいと考えております。