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提言
契約率80%超え!圧倒的な販売力で大型分譲地を即日完売した北海道T社
今回は、集団心理型マーケティングで大型分譲地を即日完売した北海道T社について見て参ります。T社は青森県で分譲住宅を販売している会社です。小区画の条件付き土地を自由設計で販売するビジネスモデルを展開しています。
当初の課題
今回T社はT社では約50の大型区画分譲地を販売することになり、どのように完売させるかを模索していました。というのもT社は元々小区画の分譲地販売がビジネスモデルの主流であり、大型区画分譲地を販売するノウハウがなかったのです。その上で「早期販売に向けた”集客力”と”営業力”の最大化」ことに解決策を見出しました。
ここでまず大型分譲地販売における「ジレンマ」を押さえる必要があります。下図を御覧ください。大型分譲地販売の場合は1期販売、2期販売と販売タイミングを分けて行うことが主流です。その場合、当然ながら1期より2期の方が集客は少なく、2期より3期の方が集客は少なくなります。また、一方で営業力は1期より2期の方が(営業経験により)高くなります。
本来であれば集客力と営業力のピークが一緒であれば多くの受注に繋がるのですが、上図のように集客力と営業力ピークがずれてしまいます。このような「ズレ」を防ぐために下図のように「①集客の絶対数を上げる」ことと「②集客ピークと販売ピークを合わせに行く」ことが重要になります。
まさにT社はこの「①集客の絶対数を上げる」ことと「②集客ピークと販売ピークを合わせに行く」を同時に実施いたしました。まず「①集客の絶対数を上げる」為に行ったことが「集団心理における集客力強化」を行いました。併せて「②早期に営業力の強化を行う」為に行ったことが「営業体制の早期(販売前)標準化」です。それぞれ順に見て参ります。
T社の取り組み
下の図をご覧ください。あなたならどちらのシチュエーションなら家を購入するでしょうか。「他にも来店客がいる場合と、いない場合」「買いたい人がたくさんいる事実を知ってる場合と、知らない場合」「今買わなければ他の人に取られる状況であることと取られない状況であること」「責任者クラスの担当者が自分だけにつく場合と全顧客につく場合」「今買えば何かがついてくる場合と何もつかない場合」。
これらはまさに”盛況感”、”買い気配”、”競争心”、”妬み”、”優越感”などを織り交ぜた「集団心理」であると言えます。世の中の購買活動は実はこのような「集団心理」を軸に展開されているケースが多くあります。バーゲンセールやキャンペーンなどがその一例でしょう。T社では、この集団心理を集客時に活用することによって集客数を増加させることに成功しました。
多くの場合、配布するDMやチラシは内容が同じ原稿を使い回す傾向にあります。しかしT社では下図のように「予告広告(販売前の広告)」「完売御礼の案内」、「残席がわずか広告」「好評につき相談会追加開催広告」など様々なパターンでDMやチラシを作成し、配布しました。そのことにより検討しているユーザーの心理に「焦りが」生じ、来場への熱感を高めることに成功したのです。
下図は実際のDMですが、このように相談会においても「満員御礼」「残席わずか」といった見せ方で訴求力を高めることに成功しました。また、第一期が完売したことも敢えて広告として配信することで第二期への期待値を最大化することに成功したのです。
また、来場から商談までのフローも抜かりなく集団心理を活用したステップを構築します。下図にあるように来場後のそれぞれのステップにおいて盛況感や競争心をあおる仕掛けを取り込むことで商談時における熱を最大化することが取り組みにおいて非常に重要になります。
次に「営業体制の早期(販売前)標準化」です。営業体制の早期標準化に関しては、大きく三つポイントがあります。一つ目が「営業フローチャートの作成」、二つ目が「解説マニュアルの作成」三つ目が「アップデート」です。順に説明して参ります。
営業フローチャートに関しては、下の図のようなセールスステップに沿った内容を全営業メンバーで共有します。反響時にどのような対応をし、初回面談からどのように次アポに繋げるかなどをセールスステップごとに詳細に掲載します。ポイントとしては、営業全体フローが1枚に収めつつステップごとに「ゴール」「ツール」「ポイント」を明記することが重要です。
例えば、初回面談であればゴールは「お客様がT社を信頼し、物件の価値が最大まで高まっている状態」となり、ゴールに向けて「分譲地のコンセプトブック(ツール)」をポイントに沿って活用する、となります。このようにゴールとツール、ポイントがステップごとにまとまっていることで効率的な営業活動に繋げることが出来るのです。
次に解説マニュアルになります。解説マニュアルは営業フローについて解説を入れたマニュアルになります。このマニュアルには注意事項が3つあります。
①営業活動全体が大局的にまとまっている
マニュアルについては営業フロー全体を俯瞰する中で不明点が把握できる事が重要です。営業全体ではなく、部分的にまとめられた資料は営業現場で多忙な折に確認がしにくく、結果使用されなくなってしまいます。
②台本ではなく解説書にする
標準化において営業トークは重要なポイントであり、かつては台本のようなマニュアルが勝ちパターンとして広がりました。営業トークを台本のようにマニュアル化するケースがりますが、一語一句読み込むようなケースは多忙な営業メンバーは適正とは言えず、効果的に活用されているケースは稀です。(完成時の満足感は高い)
③標準化した資料を常に更新する
標準化に向けた作業はツールという形で作り込み業務に比重がかかるので必然的に完成時が期待値のピークになります。結果、更新されずいつの間にか誰もが使用しないという結果に陥ります。
T社では販売開始前にフローチャートと解説マニュアル、ツールを整備し、下図のように進め方を動画でまとめて全営業が学習できる体制を構築しました。この動画にはトップセールスのロープレもコンテンツとして録画しており、効率的な学習体制が実現いたしました。なお、学習動画についてはzoomとyoutubeを活用すれば無料で手間をかけずに作成が出来ます。
以上、T社は「①集客の絶対数を上げる」ことと「②早期に営業力の強化を行う」ことで50区画近くある大型分譲地を即日で完売するという快挙を成し遂げました。
以上、今回は「集団心理型マーケティングで大型分譲地を即日完売した北海道T社」の取り組みについて見て参りました。このようなマーケティング体制は今後求められる施策になっていきますので、内容を参考にしながら積極的に集団心理型マーケティングを構築しましょう。